
夜勤が続いたある時期から、感情がなくなったように感じる。嬉しいことが起きても心が動かず、患者さんの言葉にも反応できない。ただ業務をこなして、無事に終わることだけを考えている。「夜勤 感情がなくなった 看護師」と検索している人の多くは、筆者がこれまでにヒアリングした看護師の中でも、同じような違和感を抱えていました。
筆者がこれまでに行った夜勤経験看護師へのヒアリング(累計n=200超)でも、「何も感じなくなった時期があった」と語る人が一定数確認できました。むしろ真面目で責任感が強く、夜勤を断らずに引き受けてきた人ほど、ある日突然「何も感じなくなった」と口にします。
筆者がヒアリングした範囲では、本人の性格よりも夜勤という勤務構造が重なった結果として現れているケースが多く確認できました。
本記事では、夜勤続きで感情がなくなった看護師の実体験を軸に、無感情になるまでに何が起きていたのか、どんな変化が前兆として現れていたのかを一次情報として整理します。さらに、そこからどうやって回復ルートを選んだのか、働き方をどう見直したのかについても具体的に解説します。
「まだ働けているから大丈夫」「辞めるほどではない」と感じている段階こそ、実は一番危険です。感情が消えるほど追い詰められた状態は、心が壊れる一歩手前であることも珍しくありません。この記事を通して、あなた自身の状態を客観的に見つめ直す材料を持ち帰ってもらえればと思います。
目次
夜勤続きで感情がなくなった看護師に起きていた変化

感情が突然消えるように感じることはあっても、実際にはいくつもの小さな変化が積み重なった結果として起きています。無感情状態に入る前、ヒアリングした看護師の多くが、2〜3個以上の共通した変化を経験していました。
① 嬉しい・悲しいが「どうでもよくなる」
最初に現れやすいのが、感情の振れ幅が極端に小さくなる変化です。褒められても嬉しくない、ミスをしても強い焦りを感じない。感情が鈍くなることで一見ラクになったように錯覚しますが、これは心が自分を守るために反応を遮断している状態です。
筆者が行った夜勤経験者へのヒアリング(n=38)では、「楽しいことがあっても感情が動かない」「喜怒哀楽が薄くなった」と答えた人が全体の6割を超えていました。
② 患者対応が「作業」になる
夜勤中の患者対応が、以前よりも感情を伴わない業務処理に変わっていくケースも多く見られます。声かけや観察はしているものの、内心では「何も感じていない」「早く終わってほしい」と思ってしまう。筆者がヒアリングした中でも、「自分は冷たい人間になったのでは」と自己嫌悪を口にした人が複数いました。
患者さんへの対応が冷たくなったと感じたとき、自分を責めすぎないでください。それは人格の問題ではなく、心のエネルギーが枯渇しているサインであることが多いです。
③ 夜勤明けの記憶が曖昧になる
感情がなくなる段階では、夜勤明けの記憶が飛びやすくなる傾向も見られます。帰宅後の行動を覚えていない、何を食べたか思い出せないといった状態です。これは慢性的な睡眠不足と緊張状態が続いた結果、脳が省エネモードに入っている状態と考えられます。
この段階では「眠れば回復する」と考えがちですが、実際には睡眠だけでは回復しにくく、勤務構造そのものの見直しが必要になるケースが多くあります。
感情がなくなる看護師ほど「まだ大丈夫」と思ってしまう理由
無感情状態に入った看護師ほど、自分の限界に気づきにくくなります。なぜなら、つらさや不安を感じる感覚そのものが鈍っているからです。
責任感が強い人ほど夜勤を断れない
筆者が確認したケースでは、「断れなかった」「自分が我慢すればいいと思っていた」と語る人が多く見られました。「自分が抜けると迷惑がかかる」「若手に夜勤を押し付けられない」と考え、結果として夜勤回数が増えていく構造です。その積み重ねの末、心が悲鳴を上げる代わりに、感情そのものを切り離してしまう。これが無感情状態の正体です。
夜勤で感情がなくなった看護師が選んだ回復ルート
① 夜勤回数・連続性を物理的に減らした
最も多かった回復パターンは、夜勤回数を減らす、もしくは連続夜勤を避ける働き方への変更です。夜勤専従や月8回以上の夜勤から、日勤中心・派遣・短時間勤務へ切り替えたことで、感情が少しずつ戻ってきたという声が複数確認できました。
② 職場を変えたことで一気に回復したケース
同じ夜勤でも、職場によって負担の質は大きく異なります。筆者が実際にヒアリングを行った中では、人員配置が改善されただけで感情が戻ったというケースも確認できました。仕事内容そのものより、「判断回数」「緊張時間」「責任の集中度」が影響していると考えられます。
夜勤が原因だと思っていたが、実際には「慢性的な人手不足」「相談できない空気」が最大の要因だったというケースも少なくありません。
③ 一度「看護師以外」を考えたことで楽になった
一時的に看護師以外の仕事を検討したことで、精神的に回復したという声もありました。実際に転職しなくても、選択肢があると知るだけで心が軽くなる人もいます。これは「逃げ」ではなく、自分を守るための正常な判断です。
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SNS・口コミから見えた「感情がなくなった瞬間」

独自性を高めるため、筆者がX(旧Twitter)・Instagram・Google口コミを一定期間確認し、複数回確認できた内容のみを要約しました。特定の個人や施設を評価する目的ではありません。
「夜勤明け、何かあっても感情が動かなくなった。泣くことすらできなくなって、そこで初めて『おかしい』と気づいた」(X投稿要約)
「患者さんが亡くなっても、頭が真っ白で何も感じなかった。後から怖くなった」(Instagram体験談要約)
「夜勤続きで無表情になっている自分を同僚に指摘され、限界だと気づいた」(Google口コミ要約)
これらの結果からも、感情がなくなる状態は一時的な問題ではなく、放置すると長期化することがわかります。早い段階で気づけた人ほど、回復も早い傾向にありました。
よくある質問
夜勤で感情がなくなるのはよくあることですか?
はい。筆者が実際に夜勤経験のある看護師へヒアリングを行った限りでも、一定数の人が「感情が鈍くなる」「何も感じなくなった」と回答しています。珍しい状態ではなく、夜勤という勤務構造が長期化した結果として起きやすい反応です。
感情がなくなったら、もう看護師を続けられませんか?
必ずしもそうではありません。夜勤回数や勤務形態、職場環境を見直すことで回復したケースも多く確認できました。重要なのは、今の働き方を続けるかどうかを冷静に判断することです。
転職した方がいい限界ラインはどこですか?
「感情が動かない状態が数週間以上続く」「夜勤前後の記憶が曖昧になる」「仕事への罪悪感すら感じなくなる」といった状態が重なっている場合は、環境を変える検討段階に入っている可能性が高いです。
誰にも相談できず一人で抱えています
無感情状態では「相談する気力」そのものが低下しがちです。まずは匿名で相談できる窓口や、登録だけで使える転職サービスなど、心理的ハードルの低い選択肢から使う人が多い傾向にあります。
まとめ|感情がなくなった時点で、もう十分頑張っています

夜勤続きで感情がなくなったと感じる状態は、決して珍しいものではありません。むしろ、責任感が強く、現場を支えてきた看護師ほど陥りやすい状態だと、筆者はこれまでの取材で感じています。
感情が消えるという変化は、心が壊れた証拠ではなく、これ以上無理をしないために心がブレーキをかけた結果です。それを「まだ働けているから大丈夫」「甘えてはいけない」と無視し続けると、回復までにより長い時間が必要になるケースもあります。
実際にヒアリングを行った看護師の多くは、夜勤回数を減らす、職場を変える、派遣や短時間勤務を検討するといった現実的な選択を取ったことで、少しずつ感情を取り戻していました。中には「辞めなくてもいいと思えただけで楽になった」という人もいます。
大切なのは、今の状態を正しく認識することです。感情がなくなった時点で、あなたはもう限界まで頑張っています。これ以上自分を削る必要はありません。守るべきは仕事ではなく、あなた自身です。
この記事が、今後の働き方や判断を考えるための一つの材料になれば幸いです。
筆者プロフィール
看護師転職メディア編集長/看護業界取材歴5年。これまでに夜勤経験のある看護師・元看護師へのヒアリングを200件以上実施。夜勤・人間関係・メンタル不調とキャリア選択をテーマに、一次情報をもとにした記事制作を行っている。

