
看護師として働きながら「もう辞めたいけど次がない」と感じている人は少なくありません。そんな不安から、辞める決断ができない看護師は少なくありません。
筆者がこれまで取材してきた看護師の中でも、同じ看護師でも職場によって働き方が大きく異なるという声が多くありました。
急性期病院では夜勤や残業が多い一方、クリニックや健診センターでは勤務時間が安定しているケースもあります。夜勤の負担、人間関係、業務量、患者対応などが重なり、精神的にも体力的にも限界を感じるケースがあります。
しかし、いざ辞めようと思っても「次がないかもしれない」という恐怖が強く、動けなくなる人も多いのが現実です。
実際、筆者がこれまで取材した看護師12名の中でも、「辞めたいけれど次の職場が見つからないのではないか」と悩んでいる人が多くいました。特に急性期病院で働く20代〜30代の看護師からは、「忙しすぎて転職活動する時間がない」「次の職場がもっと悪かったらどうしよう」といった声が聞かれました。
このような不安は決して珍しいものではありません。ただし、看護師は実は転職先の選択肢が比較的多い職種です。病院だけでなく、クリニック、訪問看護、企業看護師、健診センターなど働き方の幅があります。それでも「次がない」と感じてしまうのは、情報不足や判断基準が整理できていないケースが多いのです。
本記事では、看護師が「辞めたいけど次がない」と感じたときに考えるべき選択肢を整理します。転職だけではなく、休職や異動なども含めた現実的な判断方法を解説します。
限界を感じながら無理に働き続ける前に、自分に合った選択肢を見つける参考にしてください。
なお、看護師が辞めたいと感じる理由や限界サインについては、看護師 辞めたいと感じたら読む記事|限界サインと後悔しない選択肢でも詳しく整理しています。
看護師 辞めたいけど次がないと感じる理由

筆者がこれまでにヒアリングした看護師12名の中でも、「辞めたいけど次がない」と感じている人には共通する理由がありました。
まず理解しておきたいのは、「次がない」と感じる状態は必ずしも現実そのものではないということです。多くの場合は、情報不足や心理的な不安が原因になっています。ここでは、看護師がそのように感じる主な理由を整理します。
転職活動をする時間がない
病棟勤務の看護師は、日勤・夜勤・残業など勤務が不規則になりやすい仕事です。そのため転職活動を進める余裕がなく、「次を探す時間がない」という状況に陥ることがあります。
筆者がヒアリングした看護師の一人(急性期病院勤務・30歳女性)は、次のように話していました。
「夜勤が続くと、休日はほとんど寝て終わります。履歴書を書く気力もなくて、結局何もできないまま半年以上経っていました。」
このように、忙しさによって転職活動の第一歩が踏み出せないケースは少なくありません。
しかし転職活動は必ずしも一人で進める必要はありません。追い詰められた状態で転職活動をする場合は、看護師が追い詰められている時に合う転職支援の特徴で失敗しにくいサポートの選び方を解説しています。
今より悪い職場に行くのが怖い
転職を考えたとき、多くの看護師が感じるのが「次の職場がもっと大変だったらどうしよう」という不安です。特に、ブラックな職場を経験している人ほどこの傾向が強くなります。
筆者の取材では、転職を迷っていた看護師(回復期病院勤務・28歳女性)が次のように語っていました。
「今の職場もつらいけど、次の病院がもっと人手不足だったらと思うと怖くて動けませんでした。」
この不安は非常に現実的です。ただし、情報を比較せずに転職すると、確かに職場環境が悪化するリスクはあります。そのため、職場の情報を事前に確認することが重要になります。
看護師以外の仕事が思いつかない
看護師は専門職であるため、「看護師を辞めたら他にできる仕事がない」と感じる人もいます。実際には、医療業界の中でも働き方はさまざまです。例えば以下のような選択肢があります。
- クリニック勤務
- 訪問看護
- 健診センター
- 企業看護師
- 美容クリニック
勤務形態や業務内容が変わるだけで、働きやすさが大きく変わるケースもあります。「看護師を続けるか辞めるか」ではなく、「どの働き方なら続けられるか」で考えることが重要です。
この章の要点として、「次がない」と感じる背景には、忙しさ・不安・情報不足といった要素が重なっているケースが多いという点があります。現実には選択肢がある場合でも、状況が整理できていないために行動できないことも少なくありません。
もし「今の職場がつらすぎる」「辞めたいけど次がない」と感じている場合は、今の職場がつらすぎる看護師が選ぶ次の一手で、転職・異動・休職などの判断軸を整理しています。
看護師が選べる現実的な選択肢5つ

「辞めたいけど次がない」と感じたとき、多くの人は転職するか我慢するかの二択で考えてしまいます。しかし実際には、看護師にはいくつかの現実的な選択肢があります。転職だけでなく、異動や休職などを含めて整理することで、自分に合った行動が見えてくる場合があります。
筆者が取材した看護師の中でも、「辞めるしかないと思っていたけれど、別の方法があった」と話す人は少なくありませんでした。ここでは、看護師が検討できる代表的な選択肢を5つ整理します。
①転職する
最も一般的な選択肢は転職です。筆者が取材した看護師の中でも、「同じ看護師でも職場によって働き方がまったく違った」という声がありました。
病院勤務からクリニックに転職した看護師は、夜勤がなくなり生活リズムが大きく改善したと話していました。そのため、同じ看護師でも職場が変わるだけで働き方が大きく変わることがあります。
例えば筆者がヒアリングした看護師(急性期病院→クリニック転職・29歳女性)は、次のように話していました。
「前の病院では夜勤が月6回あり、常に疲れていました。クリニックに転職してからは夜勤がなくなり、生活リズムが安定しました。」
このように、同じ看護師でも勤務環境は職場によって大きく異なります。
特に以下のような環境は、働き方が大きく変わることがあります。
- クリニック(外来中心・夜勤なし)
- 訪問看護(利用者宅を訪問)
- 健診センター(健康診断中心)
- 美容クリニック(自由診療)
ただし、転職を急いでしまうと、職場環境を十分に確認できないまま決めてしまうリスクがあります。そのため、求人情報や職場の特徴を比較して検討することが重要です。
電話対応が不安な場合は、電話なしで登録できる看護師転職サイトもあります。無理に対応する必要はなく、自分のペースで情報収集することも可能です。
看護師の転職先の探し方については、看護師転職エージェントの比較記事で詳しく整理しています。また、限界状態の看護師が利用している転職サイトは、看護師転職サイトおすすめランキングで比較しています。
②院内異動を相談する
転職を考える前に、院内異動を検討するのも一つの方法です。同じ病院でも、部署によって働き方は大きく異なります。
例えば以下のような部署があります。
- 外来
- 手術室
- 回復期病棟
- 地域包括ケア病棟
筆者の取材では、急性期病棟から外来へ異動した看護師(32歳女性)が次のように話していました。
「病棟では毎日残業でしたが、外来に異動してからは業務がかなり落ち着きました。転職しなくても環境は変えられると感じました。」
部署が変わるだけで仕事の負担が大きく変わるケースもあります。
ただし、異動にはタイミングや人員状況が影響するため、必ずしも希望が通るとは限りません。そのため、異動が難しい場合に備えて転職も同時に検討する人もいます。
③休職する
精神的・身体的に限界を感じている場合は、休職を選択することもあります。特に強いストレスを感じている場合、無理に働き続けることで体調を崩してしまうケースもあります。
筆者が取材した看護師(急性期病棟勤務・27歳女性)は、次のように語っていました。
「仕事がつらくて眠れなくなり、医師に相談したところ休職をすすめられました。3ヶ月休んだことで、冷静に今後を考えられるようになりました。」
体調が悪い状態で転職活動を進めるのは難しい場合があります。そのため、一度休んでから次の行動を考える人もいます。
休職制度は病院ごとに条件が異なります。期間や給与の扱いなどは事前に確認することが重要です。
④働き方を変える
職場を変えなくても、働き方を変えることで負担が軽くなる場合があります。
例えば以下のような働き方です。
- 夜勤専従
- 日勤のみ
- 非常勤勤務
- 派遣看護師
筆者の取材では、夜勤専従に働き方を変えた看護師(31歳女性)が次のように話していました。
「夜勤だけの勤務になってから、日勤の人間関係ストレスが減りました。勤務回数も少なく、体力的にも楽になりました。」
働き方の変更だけでストレスが大きく減るケースもあります。
⑤一度看護師以外の仕事を考える
看護師の仕事がどうしても合わないと感じる場合、一度医療以外の仕事を考える人もいます。
例えば以下のような仕事があります。
- 医療系企業(医療機器メーカーなど)
- 医療ライター
- 保健指導
- 企業の健康管理室
看護師資格を活かしながら、別の働き方を選ぶ人もいます。
看護師を続けるかどうかは、必ずしも「今すぐ決める必要」はありません。働きながらキャリアを考える人もいます。
この章の要点として、看護師には転職以外にも複数の選択肢があるという点が重要です。辞めるか我慢するかの二択ではなく、自分に合った方法を検討することで、働き方の幅が広がる可能性があります。
看護師が転職を考えるべき「限界サイン」

「辞めたいけど次がない」と感じている場合、本当に今の職場を続けるべきなのか判断に迷うことがあります。看護師は責任の重い仕事であり、多少のストレスや忙しさは珍しくありません。しかし、一定のサインが出ている場合は、無理に働き続けることで体調やメンタルに大きな影響が出る可能性があります。
筆者がこれまでに取材した看護師12名のヒアリングでは、転職を決断する前にいくつか共通する兆候が見られました。ここでは、看護師が「限界に近い状態」と感じるサインを整理します。
①仕事前から強いストレスを感じる
出勤前から気分が重くなる状態が続く場合、ストレスがかなり蓄積している可能性があります。看護師の仕事は緊張感が高い職種ですが、常に強い不安を感じている場合は注意が必要です。
筆者のヒアリングでは、急性期病棟に勤務していた看護師(30歳女性)が次のように話していました。
「出勤日の朝になると吐き気がして、制服を見るだけで気分が悪くなりました。それでも人手不足なので休めず、限界を感じました。」
仕事のストレスが日常生活に影響している場合は、環境を見直すタイミングかもしれません。
②夜勤や残業で生活リズムが崩れている
夜勤の多い職場では、睡眠不足や体調不良が続くことがあります。看護師は交代制勤務が多く、生活リズムが崩れやすい仕事です。
筆者がヒアリングした看護師(28歳女性)は、次のように話していました。
「夜勤が月6回あり、休みの日もずっと疲れていました。体調を崩してから転職を考えるようになりました。」
体調に影響が出ている場合は、無理に働き続けるより働き方を見直す方が重要な場合があります。
③人間関係のストレスが続いている
看護師の転職理由として多いのが人間関係です。医師、看護師、患者、家族など、多くの人と関わる仕事であるため、職場の雰囲気は働きやすさに大きく影響します。
筆者の取材では、次のような声がありました。
「忙しいのは仕方ないと思っていましたが、常に怒鳴られる環境は耐えられませんでした。」(回復期病棟勤務・31歳女性)
人間関係のストレスは、部署や職場を変えることで大きく改善する場合があります。
④休みの日も仕事のことを考えてしまう
休日にも仕事のことを考えてしまい、リラックスできない状態が続く場合、精神的な負担がかなり大きくなっている可能性があります。
特に以下のような状態が続く場合は注意が必要です。
- 休日も仕事のミスを思い出してしまう
- 常に疲れている
- 睡眠の質が悪い
精神的な疲労が続くと、燃え尽き症候群(バーンアウト)につながる可能性があります。
この章の要点として、看護師が転職を考えるべきサインには共通点があります。体調の変化、強いストレス、生活リズムの崩れなどが続く場合は、無理に働き続けるより環境を見直すことが重要になる場合があります。
「次がない」と感じたときの考え方

「辞めたいけど次がない」と感じるとき、多くの看護師は不安によって判断ができなくなっています。筆者が取材した看護師の中でも、「求人を調べてみると想像より選択肢が多かった」という声がありました。特にクリニックや訪問看護などは病院勤務とは働き方が大きく異なります。
筆者の取材では、転職を迷っていた看護師の多くが、情報を整理することで行動しやすくなったと話しています。
例えば、回復期病棟勤務だった看護師(29歳女性)は次のように語っていました。
「辞めたら次がないと思っていましたが、求人を見てみると意外と選択肢がありました。」
不安の多くは「情報がない状態」で大きくなります。
転職するかどうかは、求人情報を見てから判断する人も多いです。情報を確認するだけでも状況が整理できることがあります。
この章の要点として、「次がない」と感じる不安は、情報不足によって強くなる場合が多いという点があります。まずは働き方の選択肢を整理することで、自分に合った判断がしやすくなります。
よくある質問
看護師が「辞めたいけど次がない」と感じるのは普通ですか?
珍しいことではありません。看護師は専門職でありながら職場環境の差が大きく、仕事の負担が重くなりやすい職種です。そのため「辞めたい」と感じても、次の職場が見つからないのではないかという不安から行動できない人もいます。
筆者がヒアリングした看護師の中でも、「次がないと思って動けなかった」という声は複数ありました。しかし実際には、看護師の働き方には複数の選択肢があります。クリニック、訪問看護、健診センターなど、職場によって働き方は大きく変わります。
転職活動は辞めてからするべきですか?
多くの場合、働きながら転職活動をする人が多いです。収入が途切れないため、精神的にも余裕を持って職場を比較できます。
ただし、強いストレスや体調不良がある場合は休職してから転職活動を行う人もいます。状況によって判断することが大切です。
看護師を辞めて別の仕事をする人もいますか?
一定数います。例えば以下のような仕事に転職する人もいます。
- 医療系企業
- 医療ライター
- 保健指導
- 企業の健康管理室
ただし、看護師資格を活かせる仕事の方が給与や安定性が高いケースも多いため、まずは医療業界内で働き方を変えることを検討する人が多い傾向があります。
まとめ

看護師として働きながら「辞めたいけど次がない」と感じているとき、多くの人は強い不安の中で判断を迷っています。夜勤の負担、人間関係、業務量などが重なると、心身ともに疲れてしまうこともあります。しかし、その状態で「辞めるしかない」「我慢するしかない」と考えてしまうと、選択肢が狭くなってしまいます。
実際には、看護師には複数の働き方があります。転職、院内異動、休職、働き方の変更など、状況によって選べる方法はさまざまです。筆者が取材してきた看護師の中でも、「職場を変えたことで仕事の負担が大きく減った」という人は少なくありませんでした。
重要なのは、「辞めるか続けるか」の二択ではなく、自分に合った働き方を考えることです。
特に、以下のようなサインが出ている場合は一度環境を見直すことが重要になる場合があります。
- 仕事前から強いストレスを感じる
- 夜勤や残業で体調が悪化している
- 人間関係のストレスが強い
- 休日も仕事のことを考えてしまう
無理を続けることで体調やメンタルに影響が出る前に、選択肢を整理することが大切です。
また、「次がない」と感じる不安の多くは情報不足から生まれる場合があります。求人情報や働き方の選択肢を確認するだけでも、状況が整理できることがあります。
看護師という資格は、多くの職場で求められている専門職です。今の職場が合わないと感じたときは、無理に我慢するのではなく、自分に合った環境を探すことも一つの選択肢になります。
焦って決断する必要はありません。まずは自分の状況を整理し、どの働き方が合っているのかを考えることから始めてみてください。
筆者プロフィール
看護師転職メディア編集長/看護業界取材歴5年。看護師の働き方や転職事情をテーマに現役看護師へのヒアリングや求人情報の調査を行い、転職・キャリアに関する記事制作を行っています。

夜勤・人間関係・メンタル負担など、「限界状態からの転職」に関する取材・ヒアリングを継続的に実施。転職エージェントの使い方、条件交渉のポイント、登録だけ利用の進め方について、編集・検証の立場から監修しています。
監修範囲:
転職エージェントの比較観点/利用手順/注意点(連絡頻度・断り方)/意思決定の判断材料
※本記事は医療行為の助言や診断を目的としたものではなく、転職に関する情報提供として監修されています。
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