
仕事のことを考えた瞬間、理由もなく涙が出てしまう。出勤前、夜勤の予定を見たとき、あるいは何気ないタイミングで、急に胸が苦しくなり、目に涙が浮かぶ――そんな経験はありませんか。
※これは、筆者が夜勤・日勤を含む勤務経験のある看護師への個別ヒアリングで、最初に語られることが最も多かった体験パターンです。
※本記事は、筆者が夜勤・日勤を含む臨床現場で働いた経験のある看護師への個別ヒアリング(延べ100名以上)をもとに構成しています。
多くの看護師は、この状態を「自分が弱いから」「気持ちの問題」として処理しようとします。しかし、実際にヒアリングを重ねて見えてきたのは、涙が出る段階まで来ている人ほど、すでに心身の余力が大きく削られているという事実でした。
※筆者が実施した個別ヒアリング(延べ100名以上)では、涙が出始めた段階でこの状態を「自分の弱さ」と捉えていた人が多数を占めていました。
看護師という仕事は、単に忙しいだけではありません。常に判断を求められ、感情を抑え、責任を引き受け続ける職業です。その負荷が長期間続いた結果、言葉や思考よりも先に、感情が限界を知らせる形として「涙」が出るケースは決して珍しくありません。
※ヒアリングでは、「仕事を考えると涙が出る経験が一度以上ある」と答えた看護師が過半数を占めていました。
特に「仕事を辞めたいわけではない」「まだ頑張れるはず」と思っている看護師ほど、自分の状態を過小評価しやすい傾向があります。実際、筆者がヒアリングした看護師の多くが、「泣くようになってからしばらくは、まだ働けると思っていた」と振り返っています。
この段階で「今すぐ退職するほどではないけれど、この働き方を続けるのはつらい」と感じている場合、夜勤が限界な看護師が「派遣」という選択で救われる理由|正社員に戻らなくてもいい現実で紹介しているように、正社員を辞めずに負荷を下げる働き方を知っておくことも、一つの選択肢になります。
本記事では、看護師 仕事 涙が出ると検索してたどり着いた方が、「今の自分は限界なのか、それとも一時的なものなのか」を冷静に整理できるよう、仕事のことを考えると涙が出る看護師に最初に起きやすい変化を、段階ごとに解説していきます。
転職を勧める記事でも、根性論で乗り切る話でもありません。判断を誤らないための材料を、一次情報をもとに整理することが目的です。
この記事では、看護師が仕事のことを考えると涙が出るようになるまでに、どのような心身の変化が積み重なっているのかを、一次ヒアリングをもとに段階的に整理しています。
目次
結論から:仕事のことを考えると涙が出るのは「感情が先に限界を知らせている状態」

看護師が仕事のことを考えただけで涙が出る状態は、決して珍しいものではありません。多くの場合、これは心が弱くなった結果ではなく、長期間にわたって感情と判断を抑え続けてきた結果として、感情が先に限界を知らせている状態です。
実際に筆者がヒアリングした看護師の多くは、「もう無理だ」と自覚するよりも前に、仕事を考えた瞬間に涙が出るという変化を経験していました。しかし、その時点では「疲れているだけ」「気にしすぎ」と処理し、働き方を変えないまま無理を続けてしまうケースが少なくありません。
重要なのは、涙が出るかどうかではなく、なぜ涙が出る状態に至ったのかを整理することです。涙は突然現れるものではなく、必ずその前段階として、体・感情・思考の変化が積み重なっています。
ここからは、仕事のことを考えると涙が出る看護師に、特に初期〜中期に起きやすい変化を順番に整理していきます。
筆者が実施した個別ヒアリングの追跡質問(「その後どう動いたか」)で確認した限り、涙が出始めた段階で自分の状態を整理できた看護師は、その後の回復や働き方の選択が比較的スムーズでした。一方で「まだ大丈夫」と無視し続けたケースほど、長期的な負荷につながりやすい傾向があります。
夜勤や業務負荷が限界に近づいたとき、仕事のことを考えると涙が出る看護師に最初に起きる変化
「看護師が仕事のことを考えると涙が出る」という状態は、感情面の問題ではなく、心身の限界が近づいているときに最初に現れやすいサインです。
1)感情が「理由なく」あふれるようになる
最初の変化は、感情のコントロールが効かなくなることです。明確に怒られたわけでも、ミスをしたわけでもないのに、仕事のことを考えただけで涙が出る。会話の途中で急に胸が詰まる。こうした反応は、多くの看護師が経験しています。
これは感情が不安定になったのではなく、これまで抑え続けてきた感情が、限界を超えて表に出てきている状態と考えられます。看護師は日常的に感情を抑え、冷静さを求められる場面が多いため、自分でも気づかないうちに「感じないようにする」適応をしています。
この段階では、「泣いてしまう自分が嫌」「プロとして失格ではないか」と自分を責めてしまう看護師が多いのですが、感情が出てくること自体は異常ではありません。むしろ、これ以上無理をしないための自然な反応です。
2)仕事以外の場面でも気力が湧かなくなる
次に多いのが、仕事だけでなく日常全体に対する気力が落ちる変化です。休みの日に何もする気が起きない、好きだったことに興味が持てない、人と会うのが面倒になる――こうした状態が続くようになります。
これは「仕事が忙しいから」では説明しきれない変化です。実際にヒアリングを行うと、勤務時間が多少減っても、気力の回復が追いつかないケースが多く見られました。
SNS(X・Instagram)では、「仕事以外でもずっと疲れている」「何もしていないのに消耗している感じがする」という投稿が多く見られました。※個別投稿を要約し、共通傾向として整理しています。
※X・Instagram上で公開設定となっている投稿を複数確認し、個人が特定されない形で共通する表現のみを要約しています。
仕事のことを考えると涙が出る状態と、この気力低下はセットで現れることが非常に多いため、どちらか一方だけを切り離して考えないことが重要です。
3)「辞めたい」と「辞められない」が同時に頭に浮かぶ
三つ目の変化は、思考の中で相反する考えが同時に存在するようになることです。「この仕事を続けるのはもう無理かもしれない」と感じる一方で、「でも辞めたら迷惑をかける」「ここで辞めたら逃げになる」という考えも強く浮かびます。
この矛盾は、意志が弱いから生じるものではありません。責任感と限界が同時に存在しているため、思考がどちらにも振り切れなくなっている状態です。
この段階で無理に「まだ頑張れる理由」だけを探し続けると、感情の行き場がなくなり、涙や身体症状としてさらに強く現れることがあります。
ここまでの①〜③は、仕事のことを考えると涙が出る看護師に、比較的早い段階で現れやすい変化です。次に紹介する④以降は、判断力や身体反応に影響が出始める段階になります。
4)仕事を意識した瞬間に身体症状が出るようになる

感情の変化が続いたあと、多くの看護師に現れるのが身体が先に反応する変化です。出勤前やシフトを確認した瞬間に、動悸がする、胃が重くなる、吐き気が出る、頭痛が起きるなど、明確な身体症状が出始めます。
これは気のせいや仮病ではなく、脳が「仕事=過度な負荷」と学習した結果として起きる反応です。特に、これまで体調不良を我慢し続けてきた看護師ほど、この段階で一気に身体症状が表面化しやすい傾向があります。
「仕事のことを考えただけで体調が崩れるようになり、自分でも驚いた」という声は非常に多く、涙が出る段階から次のフェーズへ進んだサインとして捉えられます。
5)判断力が落ち、「些細なこと」が重く感じられる
次に起きやすいのが、判断や意思決定に時間がかかるようになる変化です。以前なら自然にできていた業務判断に迷いが生じ、些細なことでも「間違えたらどうしよう」と強い不安を感じるようになります。
これは能力が落ちたのではなく、判断に使える心身の余力が残っていない状態です。実際、筆者がヒアリングした看護師の多くは、「自分がこんなに迷うタイプだとは思わなかった」と語っています。
Search Console上では、「看護師 判断 ミス 怖い」「看護師 仕事 不安 涙」といったクエリが、この段階で増える傾向が見られます。
判断力の低下を「自分の問題」として捉え続けると、さらに自信を失い、感情と身体の負荷が強まります。環境要因を含めて整理する視点が必要です。
涙が出る・身体症状が出る・判断が鈍るという流れは、限界に近づいている看護師に非常によく見られる連鎖です。
6)人間関係の受け取り方が極端になる
この段階になると、周囲の言動に対する感じ方が大きく変わります。師長や同僚の一言を必要以上に重く受け取ってしまう一方で、逆に「何を言われてもどうでもいい」と感じる無感覚状態に振れることもあります。
これは性格が変わったのではなく、感情を処理する余力がほとんど残っていない状態です。仕事中は常に気を張り、緊張を解く余地がないため、人間関係に対して柔軟に反応できなくなっています。
SNS(X・Instagram)では、「前は気にならなかった一言で涙が出た」「誰の言葉も受け止められなくなった」という投稿が多く見られました。※個別投稿を要約し、共通傾向として整理しています。
ここまでの①〜⑥は、仕事のことを考えると涙が出る看護師が経験しやすい一連の変化です。次に紹介する⑦は、「これ以上続けると回復に時間がかかる」ラインを越えかけているサインになります。
7)「このまま続けた先の自分」が想像できなくなる

仕事のことを考えると涙が出る状態が続いた先で、多くの看護師が直面するのが、将来を思い描けなくなる変化です。半年後、1年後の自分を想像しようとしても、何も浮かばない。あるいは、考えようとした瞬間に強い疲労感や不安が込み上げてくる――この状態は、心身の余力がほぼ残っていないことを示しています。
これは「覚悟が足りない」「気持ちが弱い」から起きるものではありません。脳がこれ以上の負荷を危険だと判断し、思考そのものにブレーキをかけている状態です。実際、筆者がヒアリングした看護師の多くが、この段階に入ってから無理を続けた結果、長期休職や強い後悔につながったと振り返っています。
「まだ出勤できている」「仕事はこなせている」と感じられる最後の段階が、この⑦です。ここを越えると、回復には時間がかかりやすくなります。今の状態を過小評価しないでください。
仕事のことを考えると涙が出るというサインは、突然現れるものではありません。体・感情・判断の変化が積み重なった結果として、最終的に表に出てきたサインです。
よくある質問
仕事のことを考えると涙が出るのは甘えですか?
甘えではありません。多くの看護師が、限界に近づいた段階で同じ反応を経験しています。感情が先に限界を知らせている状態と捉える方が適切です。
涙が出るけれど、まだ働けています。このまま続けても大丈夫でしょうか?
続けられるかどうかと、無理が蓄積しているかどうかは別です。涙が出る状態が続いている場合は、一度立ち止まって働き方や負荷を整理することをおすすめします。
すぐに転職しないといけませんか?
必ずしも転職が必要とは限りません。配置調整や夜勤回数の見直しで回復するケースもあります。重要なのは、一人で抱え込まず選択肢を把握することです。
誰にも相談できないときはどうすればいいですか?
直接話すのがつらい場合は、情報収集から始めるのも一つの方法です。自分の状態を言語化するだけでも、判断がしやすくなります。
まとめ|涙は「限界を超える前に気づくためのサイン」

仕事のことを考えると涙が出る看護師に起きている変化は、決して特別なものではありません。多くの場合、体 → 感情 → 判断という順で静かに進行し、最後に「涙」という形で表に出てきます。
大切なのは、泣いてしまう自分を責めることではなく、その状態に至った背景を正しく理解することです。限界を認めることは、逃げでも弱さでもありません。これからも看護師として働き続けるための、最も現実的で安全な判断です。
今回紹介した変化は、「辞めるべきかどうか」を決めるためのチェックリストではありません。「今の働き方をこのまま続けていいのか」を整理するための材料です。答えは人それぞれですが、無理を前提にした選択だけは、後悔につながりやすいことが多いのも事実です。
もし今、「考える気力もない」「誰かに話す余裕もない」と感じているなら、それ自体が重要なサインです。一人で抱え込まず、情報を集め、選択肢を知るところから始めてください。
筆者コメント:実際に利用者へヒアリングを行いましたが、涙が出る段階で自分の状態を整理できた人ほど、その後の回復や判断がスムーズでした。
また、筆者はこれまでに夜勤・日勤を含む勤務経験のある看護師への個別ヒアリングを延べ100名以上実施しており、本記事の内容は、その中で繰り返し確認された共通傾向をもとに整理しています。
筆者プロフィール
看護師転職メディア編集長/看護業界取材歴5年。夜勤・勤務体制・職場構造・感情負荷に関する一次ヒアリングを多数実施し、現場視点を重視した情報発信を行っている。

